家具屋として一世を風靡した企業に、IKEAという会社があります。IKEAの大きな特徴は、単なる板とネジと棒を、「組み立てれば棚になるので棚だ」と言い張って利益を上げ続けているというところです。
冷静に考えると、家具のコストのうち材料のコストというのはさほど高くなく、むしろ組み立てにかかる労働コストのほうが重いはずなのだが、IKEAは 「DIY」という文脈に乗せて、組み立て作業を客に押し付けている。
本能的に何かを作ったり、組み上げたりする作業が好きな人間は世の中に一定数いるので、そのような人間にとって、IKEAはぴったりのお店ということです。
「客に作業を押し付ける」という点では、焼肉も同様のビジネスで焼肉は、冷静に考えると、肉を切って多少タレにつけてある、といった程度の料理です。
肉を焼くのは客側なので、調理工数がほとんどかからない。従って職人的な調理人を雇う必要がないという点で、飲食業としては取り組みやすい業態なのです。